18.September.2011

けいさつ の項目を作っておいて、あまり書いていないことに気がついた。
通報した日にどう警察にお世話になったのか、思い出してみようと思う。
何せ半年以上前のことなので内容があやふやな点も多いが、努力はした。 
ちなみに当時、私と加害者は同居をしており、事件はその住居で発生したもの。
そして、警察に行ったのは病院で診察を受けた後。

■ 18:30 警察署Polizeirevier取調室へ■
 警察署Polizeirevierに入り、受付で婦警さんに、助言が欲しいと伝える。
(警察署の受付にたどり着くにはドアが二つあり、どちらも出入りの際には警官が操作しないと
 鍵が開かないようになっていた。)
更にもう一つの扉を彼女と共にくぐり、PCと書類棚だけの簡素な部屋に通される。
病院の診察室みたいな椅子と机の配置だった。

 私に何が起こったか簡単に説明する。
昨晩彼に殴られた。今日は病院に行くと言ってなんとか一人で家を出てきたが、
家に再び戻らなくてはならないように、私のパスポートと住所録を人(物?)質に取られている。
一人で戻るのは怖いので、警官と一緒に家に行くことはできないだろうか、と言った内容だ。

 そこで、通報をしないと警察は一個人のために動けないことと
そもそも私の怪我が普通ではない(顔がすごかった)から、"通報"することを勧められる。
通報とは、相手の名前を警察で口にした上で、どんな犯罪行為が起こったか話すこと。
少し迷ったが、もうどうにも一人で家に帰るなどできないので、相手の名前を言い、
婦警さんがそれをPCに打ち込み、私の証言を取る作業を開始する。
この時点で"通報"開始。
私もここで初めて名乗る。本当は身分証明書も提示しなきゃいけないらしいが、
前述の通りパスポートは手元に無かった。

  証言は、とても細かく言わなきゃいけない。
何時頃何をしたか、家のどこの部屋だったか、家具の配置、服装など。
一通り言って、性行為の強要もされたことを伝えると
「それは一段と重い罪になるよ」と言われる。
更に彼が薬物中毒だったことも言うと、ため息(まだ余罪があるんかい…という反応)で返され、
当然ながら、私自身も薬物をやっていたかを聞かれる。
もうなんなら血液検査でもなんでもやってくれ、という気持ちで堂々と否定(`・ω・´)

この2つのテーマ薬物・性行為の強要が、私を長く警察署にとどまらせる原因となったことを知るのは後の話。

1時間半ほどで一通り終わって、下着姿で全身の怪我の写真を撮られる。
婦警さんとは、
「これからパトカーで警官2人と共に住居に戻り、警官立会いの下、20分くらいで
大事な荷物を全部まとめて、今晩はそのまま安いホテルに避難。その後シェルターなどを探す」
と申し合わせた。
宿泊費無料か激安のシェルターに最初から行く予定だったんだけれども、
個室の空きが無く相部屋になってしまうということで、それだけは激しく拒否させていただいた。
顔の怪我を見られてあーだこーだ詮索されたり、相手の体験談を聞かされるのがイヤだったので。

■ 20:15 警察署Polizeirevier受付前ベンチ■
20:15に私の住居が所轄のパトカーが来る、ということで警察署の受付前で待つことになる。
(住居の場所と通報した警察署では所轄が違うため、そういうややこしいことになった)
数人のかしましい若者達が 当て逃げされた!通報する!とわめいていて、
もうちょっと静かな所で待ちたいな…と切なく思った(´・ω・`)

 婦警さんに「彼とは絶対に連絡を取ってはだめ」と念を押され、
家庭内暴力や犯罪被害者の権利が書かれたパンフレットを渡された。
これは具体的に書かれているため、事件後頭が真っ白になっている被害者にはありがたい。
心のケア・金銭的援助・告訴や通報した場合の権利や義務について良く分かる。
opferschutz

■ 20:30 警察署Polizeirevier受付前ベンチ
まだパトカーが来ない。さすがドイツ時間にルーズ。

■ 21:00過ぎ 刑事警察署Kriminalpolizeiへ移動■
 2人の警官とパトカー到着。ああこれでパスポートが手元に帰る と安心して乗ったら
良く分からない建物の前に到着、降りるように促される。
暗闇にひっそりと立つ、蛍光灯の光を放つ無機質な建物。
なにここ こわい
と思ったら、刑事警察署Kriminalpolizeiに連れてこられてしまったことがわかった。
一言ことわってくれよ…。

  そこから、麻薬捜査担当の警官に小一時間、麻薬取引のことを細かく聞かれ、
その後別室に移り、今度は性犯罪担当の刑事に
またも性行為の強要に関して証言するように言われる。
「いいですか、私はこういう事件に毎日接していて、慣れているんです」
だから臆したりしないでとにかくこと細かく描写してくれ、ということらしい。
射精したかしないか、服はどこまで脱いだか、どこへの挿入か、とかそういうエグさ。
何でまた同じことを繰り返さなきゃいけないんだ、と若干情けなくなりつつもまた証言。
この頃にはお腹がすいて疲れて喉が渇いて眠くて、意識が朦朧としかけていた。
締め切られた狭い部屋に男性と二人きりで性的暴力の事を描写するこの異常な状況。

 殴られた際に眼鏡を壊されたか否かを、いきなりするどく聞かれたので驚いた。
壊された場合には、どうやらすぐに賠償金を請求できたらしかった。
大切な眼鏡だから死守したけれども、壊されてたら今の視力に合ったのを
ただで新しく買えたのか…ちっ と少し思った自分もいた。わはは。

その後、またも怪我の写真を撮られる。写真を撮るのはさすがに女性だった。

 事態は、彼が麻薬と関わりがあるというところからちょっと変わってくる。
警察は、私に付き添って住居へ行き、ホテルまで送ってくれるんじゃなくて
この際彼を逮捕し同時に家宅捜索して、麻薬を探そう、ということになってきた。
円滑な捜査のために、家のどこに隠されている可能性があるかたくさん言うことになる。

 新しい段取りが決まる。
「これから彼は私へ暴力をふるったかどで逮捕され、ここ刑事警察に連行され、お泊り。
私はホテルに行くのではなく、彼と入れ替わる形で家に帰ることができる。」
彼は明日裁判官によって、刑務所行きになるか家に戻るか判断されるそう。
もちろん家に戻る場合はいち早く私に伝えられ、警察とともに避難、という運び。

そもそも「彼は今、家にいると思いますか?」という質問もされていた。
取調べ中、彼から頻繁に電話がかかっていた上、
どこにいるんだ、何やってんだ早く帰れとのメッセージも大量に残され、私をびびらせる。

つづく 


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この記事へのコメント

1. Posted by riri   20.September.2011 15:25
>>Sさん
この経験はもうネタだと思っているので、ご心配には及びません。笑
めったに体験できないことですし。
今では、道端で警察を見るたびに心の中でお礼と応援をしています。

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