5.Juli.2012

息子は脳の様子を見るべくMRI(ドイツではMRT)を2回したのだが、あれがけっこういやだった。
何がいやって、全身麻酔が必要だというところだ。
MRIで画像を撮るためには、一定時間動かないようにしていなければならないので、
乳児・幼児には全身麻酔が必須なのだそうだ。

まず、麻酔開始に向けて空腹にさせ、MRIのちょっと前にお尻から予備麻酔のようなものを入れ、
MRIの部屋に着いたら点滴麻酔と酸素マスクを装着される。
麻酔で眠った直後から、撮影が終わって目覚めるちょっと前まで、親は退室しなければならなかった。

1度目の、頭だけの撮影の時は1時間、2度目の全身の時は2時間半くらいかかったような。
終わるころにもう一度MRI室の前に行き、呼ばれたらやっと息子の顔を見ることができる。

なんかもう、麻酔で眠り、酸素マスクで呼吸をしているのを見たら、目から汗が出てきた。
赤ちゃんが麻酔で寝ている、あれはいいもんじゃない。
1度目はすぐに目覚めなかったので、手術室の隣室まで運ばれ、目が覚めるまで1時間、
息子不在の病室で待たされた。
(入院中は個室に入ることができた。しかしながら、部屋は刑務所のような狭さ。)

その1時間はもう、大人気ない言動をしまくった気がする。
10分ごとにナースステーションに行き、手術室から連絡はあったか、息子はどうなのかを聞き、
連絡がないと知るや あからさまにため息をつき、背中を丸めて部屋へ戻る。
決してあてつけではなくて、そうなってしまったのだ。
やっと息子が部屋に戻って、私の顔をぼんやりと見てにこっとした時は、
手持ちのティッシュを全部濡らしたものだった。


更に息子に気の毒だったのが、採血。
赤ちゃんは腕や足の血管から採血をするのが難しいので、髪の毛の生え際からが簡単なようだった。
そして、赤ちゃんが採血中にじっとしているはずがない。
看護婦さんが数人ヘルプに呼ばれ、みんなで腕まくり。それからいっせいに私の顔を見る。

「おかあさん、外に出ていてください。見てない方がいいと思います」

この、入院中に幾度となく聞いたセリフを聞き、退室し、
ドアの向こうで絶望的に泣き叫ぶ息子の声を、罪悪感でいっぱいになりながら聞くこととなった。

やっと終わってドアが開き、息子を抱っこする頃には、涙とハナミズとよだれで彼の顔はぐっちゃぐちゃ。
何度も何度もしゃくりあげ、それでも「母ちゃんが来た、ひっくひっく」とちょっと落ち着くがわかったあたりで、
痛い思いをさせているのが申し訳なくなって、私の目からも汗。



看護婦さんたちはみんなとってもよくしてくれた。
ちなみにドイツには子供看護婦さんというのがいて、息子のいた病棟にいる看護婦さんは全員
子供看護婦さんだった。病院自体が、こどもの治療専門の病院だからね。
彼女たちは、それこそ採血の際の子供の押さえつけ方まできちんと習うようだ。
恨まれ役というのも大変そう…。


で、息子が女性たち、男性までもをめろめろにしている理由が今回わかった。
奴は、抱っこされたらそのまま相手に すりよるのだ。
具体的には、抱っこされたと同時に抱っこしてくれた人の肩にほっぺを乗せ、体をぴったり密着させる。
こんなことを初めて抱っこした赤ちゃんにされたら、割とほんわかすると思う。
息子がどこでこんなワザを覚えたんだか知らないが、保育所に通うようになっても
このワザで何とか乗り切ってくれると思う。

退院した日、3週間ぶりの家のベッドで爆睡する息子のようす。
111
足のお肉が魅力的。


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この記事へのコメント

1. Posted by 湯たんぽ    7.July.2012 14:56
5 はじめまして


コメントは始めてですが
いつもみています

うちのこは
二ヶ月ですが
先天的な異常を抱えていまして
来年手術を控えてます

それは大丈夫なのですが

そのせいか
中耳炎になりやすく

先日
鼓膜切開を経験して
絶叫泣きでした


かわいそうなのと
自分がケアできないふがいなさとイロイロで
自分も泣きたかったです



読んでて
息子ちゃんの様子が
目に見えるようで
涙がでました



お疲れ様でした



赤ちゃんの時に苦労した分
この先は平和に大きくなりますように
2. Posted by りり   11.July.2012 03:06
湯たんぽさん初めまして、コメントありがとうございます。

お子さんのこと、心配ですね。
鼓膜切開までするなんて、もう想像しただけで鳥肌がたちます…。
病院では、わが子をお医者さんたちの手に委ねるのが一番だと
頭では理解できますが、気持ちはついてこないですね。
痛い思いさせてごめんよ、と何度も思いました。

湯たんぽさんのお子さんも、どうか手術を通してよい方向へいきますように。

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