出産
31.Juli.2017
産院
7:35
分娩室入り口でMutterpass 母子手帳を助産婦さんに渡して、そのまま
入院用かばんを一時的に置くロッカーのある所へ案内され、子宮口をチェックしてもらう。
「はい、8-9cm開いてるわよ」
と返ってきて、ぎょっとする。え、開いてるの?このまま出産なの?
ちょっと待て、今からだとぱぱ氏到着は30分以上後だぞ。
「ええっと、夫が立会いを望んでいるんだけど」
「ここに着くまであとどのくらいかかりそうなの?」
「30分は確実にかかります」
「旦那さんに、速やかにこちらへ向かうように連絡するといいわ」
「いや、でももうこの状況だと間に合いませんよね、これ」
「大丈夫!絶対に間に合うわ。賭けましょうか?」
とウインクと冗談でしめて、動きやすい服装に着替えておいてね~、と去っていく助産婦さん。
前回、あっちゅう間に子宮口開いた気がするなー、とため息をつきつつ、
また迎えに来た助産婦さんに連れられて、分娩室へ。
7:45
入った分娩室の、5年前の記憶とのギャップにびっくりする。
5年前は、暗闇にひとつだけオレンジ色のランプが付いたとってもムーディーな
お部屋だったのに、今回は朝日降り注ぐ、大変清潔感のある爽やかな部屋だった。
ってそりゃそうだよね、5年前は夜中の出産だったし、この産院には3つの分娩室が
あるんだから。
…というどうでもいいことを助産婦さんと話し、その間にお腹にCTGの機械をつけてもらう。
今回初めて、無線のCTGをつけてもらった。
これにより、妊婦が動き回っていても数値を測定できるらしい。
分娩室にて、分娩台(ただのベッド)に乗ろうか迷うも、その間に陣痛が来たので
ベッドの横に立って両手を付き、その体勢のままやりすごす。
そこで、ベッドの上にぶら下がっていた青いザイルを発見して、おろしてもらう。
これで安心。しがみ付くものができた。
そういえばこのザイル、赤ちゃんの抱っこ布(ちなみにDidymosの)を3つ繋げてあった。
確かにこれ、柔軟な布だもんな。出産時に苦しみながら引っ張るにはぴったりだわ。
陣痛と陣痛の間は全く痛くない。余裕で助産婦さんと冗談を飛ばすことができるし、
ぱぱ氏と「今どこか、何時に産院につくか、今どのような状況か」という連絡を
ラインでする余裕もある。
陣痛が来たらザイルをしごき下ろしながら息を吐きつつ、ベッド横にしゃがんで行く。
陣痛が止まったらすくっと立って、ベッドに置いた携帯電話で業務連絡。
(分娩室で、しかも無線のCTGを使っているのに携帯電話の使用を見逃してくれた
助産婦さんに感謝。多分あまり好ましくはなかったはずだ。)
しかしながら、もう、股の間が結構じわじわ痛い。気を抜いたら何か出そう。(子どもです。)
痛くない時間がだんだん減ってきて、痛みを逃す時に「ぐ…」と声が出る。
そこでぱぱ氏より連絡:「8時7分着予定」。
あと15分。
無理です。我慢できません。
絶対無理。もう無理。待てない。出る。
とぶつぶつ言う私に、大丈夫、絶っっっ対に赤ちゃんは待ってくれるから、大丈夫よ!と
またも確信を持って力強く言ってくれる助産婦さん。
もう一度携帯電話確認、「電車遅れてる」との追加メッセージを読んで、
気が遠くなりそうになる。
8時5分
陣痛が来ると同時にベッド脇にしゃがんだまま、もう立ち上がれなくなる。
直ぐに助産婦さんが2cmくらいの厚みのあるゴムマットを持って来てくれて、
ベッド脇に敷いてくれる。
下着を脱がせてもらって、たくさんの防水シートを敷いたマットの上にひざをつき、
青いザイルにしがみ付いて、泣きそうな獣のような声をあげる。
助産婦さんが、「今手術室に先生(産婦人科医)いる?すぐに分娩室に来るように言って」と
電話をかけている。
じきに、インターンの女医さんが現れ、私の目の前にあった椅子に座り、
床にひざをついて苦しみに喚いている私の両手をぎゅっと握る、という役をしてくれる。
いきみたい、いやまだ待たねば、という心と身体の葛藤と闘う。
8時10分過ぎ
誰かが分娩室の受付に入る呼び鈴を鳴らしたのが聞こえた。
「ほら、きっと旦那さんよ!来たわよ!」とすかさず言う助産婦さんと、それを承認する
ように、ぎゅっと手を強く握り返してくれるインターン女医さん。
よく分からない叫び声を出しながらも理解し、お、もう出していいのか、と気が楽になる。
という訳で、いきみ始めた。
「分娩室にいる人さあ、りりさんて名前ー?」というのんびりした受付の人の質問に、
「そうよっ!入れていいわよー!」と気合の入った返答をする助産婦さん。この温度差。
分娩室入り口に尻を向ける形でひざ立ちになっていたのだが、肩越しにぱぱ氏が
入ってくるのを確認。(もうこの間ずっと動物のように叫んでいる私。)
「女医さんと交代して椅子に座って、奥さんの手握りなさい!
りりさんは旦那さんの手と足にしがみ付いて頑張んなさい!」
との指示にあわあわと座り、私が上半身を埋められるように膝を提供してくれるぱぱ氏。
そんな彼の手を容赦なくつぶす勢いで握って、叫んで、踏ん張るりり。
うつ伏せだし、ぱぱ氏の太ももに顔を埋めているので助産婦さんと女医さんの視線も見えず、
何が起こっているか分からないので、叫びながらも、取り敢えず身体の感覚に集中して
出産に集中しよう、と考える。(…いや、もう声は止められないもんだ。出産だもんな。)
出口を赤ちゃんの頭が押す。一旦奥に引っ込む。また押す。
それに従って出口も開いたり閉まったり。
ある程度の所でもう我慢できなくなって、ぐっと押す。
すると突然、長い間溜め込んだお通じ(失礼します)がやっと出た!というような
スッキリ・充実感に満たされる。ここで頭が出た。
この時点で、私の仕事が終わったような気すらする。リラックス。
「ネズミちゃん!さあ、回るのよ、ネズミちゃん!回ってー!」
と助産婦さん、(多分)頭だけ出している赤ちゃんに呼びかける。
お腹の中で、赤ちゃんの身体がぐにゅんと90°回った。
で、ずるずるーっと引き出される(もしくは滑り落ちる?)感覚と、
ほぎゃっほぎゃっというのが聞こえた。
肩越しに眺めると、紫色がかった、濡れた赤ん坊がいた。
--------
ひとまずここまでで。
先週は、ぱぱ氏・私と一日置きにインフルに罹り、その翌日には乳腺炎、と散々でした。ひー。
まだ乳は腫れていますが、熱はもうないのが救いです。

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7:35
分娩室入り口でMutterpass 母子手帳を助産婦さんに渡して、そのまま
入院用かばんを一時的に置くロッカーのある所へ案内され、子宮口をチェックしてもらう。
「はい、8-9cm開いてるわよ」
と返ってきて、ぎょっとする。え、開いてるの?このまま出産なの?
ちょっと待て、今からだとぱぱ氏到着は30分以上後だぞ。
「ええっと、夫が立会いを望んでいるんだけど」
「ここに着くまであとどのくらいかかりそうなの?」
「30分は確実にかかります」
「旦那さんに、速やかにこちらへ向かうように連絡するといいわ」
「いや、でももうこの状況だと間に合いませんよね、これ」
「大丈夫!絶対に間に合うわ。賭けましょうか?」
とウインクと冗談でしめて、動きやすい服装に着替えておいてね~、と去っていく助産婦さん。
前回、あっちゅう間に子宮口開いた気がするなー、とため息をつきつつ、
また迎えに来た助産婦さんに連れられて、分娩室へ。
7:45
入った分娩室の、5年前の記憶とのギャップにびっくりする。
5年前は、暗闇にひとつだけオレンジ色のランプが付いたとってもムーディーな
お部屋だったのに、今回は朝日降り注ぐ、大変清潔感のある爽やかな部屋だった。
ってそりゃそうだよね、5年前は夜中の出産だったし、この産院には3つの分娩室が
あるんだから。
…というどうでもいいことを助産婦さんと話し、その間にお腹にCTGの機械をつけてもらう。
今回初めて、無線のCTGをつけてもらった。
これにより、妊婦が動き回っていても数値を測定できるらしい。
分娩室にて、分娩台(ただのベッド)に乗ろうか迷うも、その間に陣痛が来たので
ベッドの横に立って両手を付き、その体勢のままやりすごす。
そこで、ベッドの上にぶら下がっていた青いザイルを発見して、おろしてもらう。
これで安心。しがみ付くものができた。
そういえばこのザイル、赤ちゃんの抱っこ布(ちなみにDidymosの)を3つ繋げてあった。
確かにこれ、柔軟な布だもんな。出産時に苦しみながら引っ張るにはぴったりだわ。
陣痛と陣痛の間は全く痛くない。余裕で助産婦さんと冗談を飛ばすことができるし、
ぱぱ氏と「今どこか、何時に産院につくか、今どのような状況か」という連絡を
ラインでする余裕もある。
陣痛が来たらザイルをしごき下ろしながら息を吐きつつ、ベッド横にしゃがんで行く。
陣痛が止まったらすくっと立って、ベッドに置いた携帯電話で業務連絡。
(分娩室で、しかも無線のCTGを使っているのに携帯電話の使用を見逃してくれた
助産婦さんに感謝。多分あまり好ましくはなかったはずだ。)
しかしながら、もう、股の間が結構じわじわ痛い。気を抜いたら何か出そう。(子どもです。)
痛くない時間がだんだん減ってきて、痛みを逃す時に「ぐ…」と声が出る。
そこでぱぱ氏より連絡:「8時7分着予定」。
あと15分。
無理です。我慢できません。
絶対無理。もう無理。待てない。出る。
とぶつぶつ言う私に、大丈夫、絶っっっ対に赤ちゃんは待ってくれるから、大丈夫よ!と
またも確信を持って力強く言ってくれる助産婦さん。
もう一度携帯電話確認、「電車遅れてる」との追加メッセージを読んで、
気が遠くなりそうになる。
8時5分
陣痛が来ると同時にベッド脇にしゃがんだまま、もう立ち上がれなくなる。
直ぐに助産婦さんが2cmくらいの厚みのあるゴムマットを持って来てくれて、
ベッド脇に敷いてくれる。
下着を脱がせてもらって、たくさんの防水シートを敷いたマットの上にひざをつき、
青いザイルにしがみ付いて、泣きそうな獣のような声をあげる。
助産婦さんが、「今手術室に先生(産婦人科医)いる?すぐに分娩室に来るように言って」と
電話をかけている。
じきに、インターンの女医さんが現れ、私の目の前にあった椅子に座り、
床にひざをついて苦しみに喚いている私の両手をぎゅっと握る、という役をしてくれる。
いきみたい、いやまだ待たねば、という心と身体の葛藤と闘う。
8時10分過ぎ
誰かが分娩室の受付に入る呼び鈴を鳴らしたのが聞こえた。
「ほら、きっと旦那さんよ!来たわよ!」とすかさず言う助産婦さんと、それを承認する
ように、ぎゅっと手を強く握り返してくれるインターン女医さん。
よく分からない叫び声を出しながらも理解し、お、もう出していいのか、と気が楽になる。
という訳で、いきみ始めた。
「分娩室にいる人さあ、りりさんて名前ー?」というのんびりした受付の人の質問に、
「そうよっ!入れていいわよー!」と気合の入った返答をする助産婦さん。この温度差。
分娩室入り口に尻を向ける形でひざ立ちになっていたのだが、肩越しにぱぱ氏が
入ってくるのを確認。(もうこの間ずっと動物のように叫んでいる私。)
「女医さんと交代して椅子に座って、奥さんの手握りなさい!
りりさんは旦那さんの手と足にしがみ付いて頑張んなさい!」
との指示にあわあわと座り、私が上半身を埋められるように膝を提供してくれるぱぱ氏。
そんな彼の手を容赦なくつぶす勢いで握って、叫んで、踏ん張るりり。
うつ伏せだし、ぱぱ氏の太ももに顔を埋めているので助産婦さんと女医さんの視線も見えず、
何が起こっているか分からないので、叫びながらも、取り敢えず身体の感覚に集中して
出産に集中しよう、と考える。(…いや、もう声は止められないもんだ。出産だもんな。)
出口を赤ちゃんの頭が押す。一旦奥に引っ込む。また押す。
それに従って出口も開いたり閉まったり。
ある程度の所でもう我慢できなくなって、ぐっと押す。
すると突然、長い間溜め込んだお通じ(失礼します)がやっと出た!というような
スッキリ・充実感に満たされる。ここで頭が出た。
この時点で、私の仕事が終わったような気すらする。リラックス。
「ネズミちゃん!さあ、回るのよ、ネズミちゃん!回ってー!」
と助産婦さん、(多分)頭だけ出している赤ちゃんに呼びかける。
お腹の中で、赤ちゃんの身体がぐにゅんと90°回った。
で、ずるずるーっと引き出される(もしくは滑り落ちる?)感覚と、
ほぎゃっほぎゃっというのが聞こえた。
肩越しに眺めると、紫色がかった、濡れた赤ん坊がいた。
--------
ひとまずここまでで。
先週は、ぱぱ氏・私と一日置きにインフルに罹り、その翌日には乳腺炎、と散々でした。ひー。
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25.Juli.2017
出産予定日 7/17 40W0T 家にて
4:30
「きた。これだ。」
という下腹部痛で、ぱっと目が覚める。
ここ一週間、寝ている間に起こる痛みには敏感になっていようと常にアンテナを張っていた
だけに、直ぐに気付いた。
(ちなみに、ここ一週間、寝ている間も起きている間も全く痛みはなかった。)
例の、細長い痛みが膣の中に向かって突き刺さってくるような痛み。
おしるしがあるかどうか確認するも、ゼリー状のものも、うっすらしたものもなし。
ということは、これは本物の陣痛じゃないと思い、寝室で寝転がったままネットサーフィン開始。
5:00
ちらちらと時計を気にしていると、どうも痛みは5分毎に来ている気がする。
でもそこまで痛いわけじゃない。ああ、痛いのきたわと思いつつも、今日の天気を検索して、
息子に幼稚園に水着を持って行かせるか否か、を考える余裕がある。
痛いけど、我慢できないほどじゃない。
そこで、出産準備コースの時に助産婦さんが、陣痛アプリなるものがあると教えてくれたことを
ふと思い出し、検索してダウンロード、使用開始。
(私が使ったのはWehen Zählerという実にシンプルな無料アプリで、
起動させるとFruchtblase ist geplatzt(破水) Start Wehe(陣痛開始)の二つのボタンがある。
陣痛が始まると同時にStart Weheを押し、痛みが無くなったらStopp Wehe (陣痛ストップ)を押す。
陣痛の回数、開始から終了時間、かかった時間、陣痛間隔を記録できる。)
5:30
時報か何かですか?と疑いたくなるほどきちんと5分毎に来て、1分で去っていく陣痛。
(1分陣痛、痛みの無い時間が4分、そしてまた1分陣痛…)
3分を切ることすらある。
アプリのメッセージで、『陣痛の間隔が3分を切りました。至急病院に向かってください』と出るが、
いやいや、またまたご冗談を…と笑って受け流す。
6:00
息子とぱぱ氏を起こし、「産まれるのは今日かも知れない」と告げる。
5分間隔の陣痛が1時間半続いていると知らせると、動揺するぱぱ氏。
時々痛みでぴたっと止まりながらも普通に朝食の準備をする余裕がある私。
いつも通りに朝食を取りつつ、今日の予定を話し合う。
今陣痛始まったばっかりだし、出てくるのは多分今日の午後とか夕方だと思うよ、と
話す。万が一の時に息子の迎えに行ってくれる、という友人に連絡をする。
ぱぱ氏には、早めに息子を幼稚園に送ってくれるよう頼む。7時半から預けられるので。
ぱぱ氏とは、この後私が産院に向かい、息子を幼稚園に送った後ぱぱ氏が産院に駆けつける、
ということにしようと話し合った。
6:30
行儀が悪いのは承知で、食事中も携帯電話を食卓に置いて陣痛間隔を測り続けていた私。
やっぱり2時間ずっと続いている5分間隔。
ごちそうさまをして皿を片付け、息子と会話をしている時に、どうも息を詰まらせていたらしい。
とはいえ、2人を送り出し、キッチンを片付け、息子との約束のちっちゃなジュースアイスを作る。
7:00
産院に電話して、2時間半くらい5分間隔の陣痛が続いている、行ってもいいかと聞く。
2人目の出産です、と告げると、あわてた様子で、それは早く来てください、と返ってきた。
もしこの段階で産院がいっぱいだったら、他の産院に回されると事前に聞いていただけに、
ひとまず受け入れて頂けると分かって安心した。
ちなみにこの産院は息子を産んだ時と同じ場所で、事前に申し込みをしてあった。
それから、タクシーを呼ぼうとしたのだが、タクシー会社の番号を控えていなかった事に気付き、
慌ててネット検索して、やっと一台お願いする。
7:15
入院用かばんを持ってタクシーに乗る。
ああ、息子の時はここでベビーシートも持ってったんだよなあ…と感慨深くなる。
タクシーのおじさんに、
「いやー陣痛があるので一応産院に行くんです。帰されないといいんですが」
と伝えると、運転手歴30年だという彼は
そうかー、自分も自分の妻の出産の時はどきどきしたなあ、
俺が倒れたら誰が俺の面倒を見てくれるんだろう、とか心配したもんだよ、というか最近は
出産の時にビデオ撮るとかあるだろ、あれどうかと思うんだ、だって妻が苦しんでいるのに俺が
ビデオ撮影とかするなんて…ビデオ撮影と言えば近頃の若いもんは携帯を使って
…と始まってしまった。うんうん、と真顔で聞きながら、たまに訪れる痛みをやり過ごす。
後から思えば、このおじさんのお陰でうまく平静を保てたのかも知れない。
そういえば、この町は平日7時半辺りから交通量が激しくなって渋滞が多発するんだと聞いた。
(私はこの町に住んで長いけれども、車が無いので交通量のことは知らず)
ギリギリセーフ。
------
続きはまた近々。

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4:30
「きた。これだ。」
という下腹部痛で、ぱっと目が覚める。
ここ一週間、寝ている間に起こる痛みには敏感になっていようと常にアンテナを張っていた
だけに、直ぐに気付いた。
(ちなみに、ここ一週間、寝ている間も起きている間も全く痛みはなかった。)
例の、細長い痛みが膣の中に向かって突き刺さってくるような痛み。
おしるしがあるかどうか確認するも、ゼリー状のものも、うっすらしたものもなし。
ということは、これは本物の陣痛じゃないと思い、寝室で寝転がったままネットサーフィン開始。
5:00
ちらちらと時計を気にしていると、どうも痛みは5分毎に来ている気がする。
でもそこまで痛いわけじゃない。ああ、痛いのきたわと思いつつも、今日の天気を検索して、
息子に幼稚園に水着を持って行かせるか否か、を考える余裕がある。
痛いけど、我慢できないほどじゃない。
そこで、出産準備コースの時に助産婦さんが、陣痛アプリなるものがあると教えてくれたことを
ふと思い出し、検索してダウンロード、使用開始。
(私が使ったのはWehen Zählerという実にシンプルな無料アプリで、
起動させるとFruchtblase ist geplatzt(破水) Start Wehe(陣痛開始)の二つのボタンがある。
陣痛が始まると同時にStart Weheを押し、痛みが無くなったらStopp Wehe (陣痛ストップ)を押す。
陣痛の回数、開始から終了時間、かかった時間、陣痛間隔を記録できる。)
5:30
時報か何かですか?と疑いたくなるほどきちんと5分毎に来て、1分で去っていく陣痛。
(1分陣痛、痛みの無い時間が4分、そしてまた1分陣痛…)
3分を切ることすらある。
アプリのメッセージで、『陣痛の間隔が3分を切りました。至急病院に向かってください』と出るが、
いやいや、またまたご冗談を…と笑って受け流す。
6:00
息子とぱぱ氏を起こし、「産まれるのは今日かも知れない」と告げる。
5分間隔の陣痛が1時間半続いていると知らせると、動揺するぱぱ氏。
時々痛みでぴたっと止まりながらも普通に朝食の準備をする余裕がある私。
いつも通りに朝食を取りつつ、今日の予定を話し合う。
今陣痛始まったばっかりだし、出てくるのは多分今日の午後とか夕方だと思うよ、と
話す。万が一の時に息子の迎えに行ってくれる、という友人に連絡をする。
ぱぱ氏には、早めに息子を幼稚園に送ってくれるよう頼む。7時半から預けられるので。
ぱぱ氏とは、この後私が産院に向かい、息子を幼稚園に送った後ぱぱ氏が産院に駆けつける、
ということにしようと話し合った。
6:30
行儀が悪いのは承知で、食事中も携帯電話を食卓に置いて陣痛間隔を測り続けていた私。
やっぱり2時間ずっと続いている5分間隔。
ごちそうさまをして皿を片付け、息子と会話をしている時に、どうも息を詰まらせていたらしい。
とはいえ、2人を送り出し、キッチンを片付け、息子との約束のちっちゃなジュースアイスを作る。
7:00
産院に電話して、2時間半くらい5分間隔の陣痛が続いている、行ってもいいかと聞く。
2人目の出産です、と告げると、あわてた様子で、それは早く来てください、と返ってきた。
もしこの段階で産院がいっぱいだったら、他の産院に回されると事前に聞いていただけに、
ひとまず受け入れて頂けると分かって安心した。
ちなみにこの産院は息子を産んだ時と同じ場所で、事前に申し込みをしてあった。
それから、タクシーを呼ぼうとしたのだが、タクシー会社の番号を控えていなかった事に気付き、
慌ててネット検索して、やっと一台お願いする。
7:15
入院用かばんを持ってタクシーに乗る。
ああ、息子の時はここでベビーシートも持ってったんだよなあ…と感慨深くなる。
タクシーのおじさんに、
「いやー陣痛があるので一応産院に行くんです。帰されないといいんですが」
と伝えると、運転手歴30年だという彼は
そうかー、自分も自分の妻の出産の時はどきどきしたなあ、
俺が倒れたら誰が俺の面倒を見てくれるんだろう、とか心配したもんだよ、というか最近は
出産の時にビデオ撮るとかあるだろ、あれどうかと思うんだ、だって妻が苦しんでいるのに俺が
ビデオ撮影とかするなんて…ビデオ撮影と言えば近頃の若いもんは携帯を使って
…と始まってしまった。うんうん、と真顔で聞きながら、たまに訪れる痛みをやり過ごす。
後から思えば、このおじさんのお陰でうまく平静を保てたのかも知れない。
そういえば、この町は平日7時半辺りから交通量が激しくなって渋滞が多発するんだと聞いた。
(私はこの町に住んで長いけれども、車が無いので交通量のことは知らず)
ギリギリセーフ。
------
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19.Juli.2017
出産予定日の朝4時半、陣痛っぽいものがいきなり5分おきで始まり、
まあどうせまたこれ途中で止まるんでしょ、とのんびり朝食して息子を幼稚園に送りだし、
その後一応産院に向かったら、到着後40分して子どもが産まれました。
経産婦とはここまで…と思いたくなるほど冷静な、そしてスピードのある出産となりました。
ありがたいことに私ももう一人も健康です。
時間ができたらまた詳しく。ご心配くださったかた、どうもありがとうございました!
ちなみに、出てきたのは娘でした。

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まあどうせまたこれ途中で止まるんでしょ、とのんびり朝食して息子を幼稚園に送りだし、
その後一応産院に向かったら、到着後40分して子どもが産まれました。
経産婦とはここまで…と思いたくなるほど冷静な、そしてスピードのある出産となりました。
ありがたいことに私ももう一人も健康です。
時間ができたらまた詳しく。ご心配くださったかた、どうもありがとうございました!
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4.Dezember.2011
"評判のいい"ドイツの入院食。(皮肉です。)
私の入院中はこうだった。
献立:
スライスチーズ2枚、パン2枚、ピクルス1本、葉っぱ1枚、クリームチーズとチーズ、バター、りんご
献立:パン2枚、チーズ1枚、クリームチーズ、ジャム、バター、コーヒーと砂糖とミルク
この病院の名誉のために。
体調がいい人は、朝食ビュッフェで食べられる。暖かいパンやサラミ、ミュズリ等
品揃えばっちりで、とても美味しく、大満足だった。
上の朝食は、私が眩暈でへばっていた日に運ばれてきたもの。
献立:子牛のシチュー、マッシュポテト、サラダ、スープ、チョコケーキ
美味しすぎる…!朝食と夕食とのギャップが激しい分、美味しさとゴージャスさは3倍(●´ω`●)
結論:
ドイツの入院食、見た目は質素すぎるが、味は別に悪くない。
パンが美味しいからか、私が何でも食べるからかはわからないが…。
ドイツで出産する人へアドバイス:
入院中の食事に関してだが、夕食と朝食の間が12時間以上空く上に、夕飯は軽めなので、
夜中の授乳の際、お腹が空いて泣きそうになる。
よって、SalzstangeとかスニッカーズみたいなものをKlinikkofferに入れておくといいと思う。
陣痛中と、そして特に入院中のために。入院中は本当に、切なくなるくらいお腹空きますぞ。
出産直後にお腹が空いて死にそうだと助産婦さんに訴えたら、夜中にも関わらず
分娩室に食事(入院食の夕食だと思う)を持ってきてくれた。
(出産2時間後、つまり赤子の身長体重計測後)
コットに入れてもらった我が子を眺めつつ、血まみれのベッドの横でもりもりと頂いた。
何が言いたいかというと、出産後にお腹が空いたらご飯がもらえるかも知れないですよ、ということだ。
助産婦さんに聞いてみるといいと思う。
さらに、お見舞いの人へ:
個室ならいいかも知れないし、病院によって違いはあるかもしれないが、
手土産にお花を選ばないほうがいい。病室に花を置かないという決まりがあったので、
行き場を失くした花たちで、ナースステーションが華やかになっていた。花瓶もほぼなかったしね。
産んだ人へは食べ物(甘いもの)の差し入れがいいと思う。ドイツのご飯の量は少なめなので、くれたら嬉しい。
高いものじゃなくていいんだ。ウエハースとかチョコバーとか、気軽に食べられるものがいいんだ。
私だけの好みっぽいが、結構みんなに当てはまるのではないかと思う。
*
番外編として、お世話になったもの
真ん中にある、三角の手すり。
陣痛の時はこの人にもすがらせてもらった。君なしでは乗り越えられなかった。ありがとう。
そして生後4日の息子氏のようす
「ほわちゃ!」と、何かと戦っておられます。
手につけているのは、産まれた時から生えている、中途半端に長めの爪で赤ちゃんの顔を傷つけないための綿製ミトン。
プライベートがないことと、同室のチェコ人へのひっきりなしのお見舞いとデカイ声での電話には参ったが
なんだかんだと楽しい入院生活だった。
上げ膳据え膳…最高ですね。ふふふ。
長々と読んでいただいてありがとうございました。一緒にぽちっとお願いします!

私の入院中はこうだった。
■ 17:00の夕飯 ■

スライスチーズ2枚、パン2枚、ピクルス1本、葉っぱ1枚、クリームチーズとチーズ、バター、りんご
■ 7:00の朝食 ■

この病院の名誉のために。
体調がいい人は、朝食ビュッフェで食べられる。暖かいパンやサラミ、ミュズリ等
品揃えばっちりで、とても美味しく、大満足だった。
上の朝食は、私が眩暈でへばっていた日に運ばれてきたもの。
■ 11:30の昼食 ■

美味しすぎる…!朝食と夕食とのギャップが激しい分、美味しさとゴージャスさは3倍(●´ω`●)
結論:
ドイツの入院食、見た目は質素すぎるが、味は別に悪くない。
パンが美味しいからか、私が何でも食べるからかはわからないが…。
ドイツで出産する人へアドバイス:
入院中の食事に関してだが、夕食と朝食の間が12時間以上空く上に、夕飯は軽めなので、
夜中の授乳の際、お腹が空いて泣きそうになる。
よって、SalzstangeとかスニッカーズみたいなものをKlinikkofferに入れておくといいと思う。
陣痛中と、そして特に入院中のために。入院中は本当に、切なくなるくらいお腹空きますぞ。
出産直後にお腹が空いて死にそうだと助産婦さんに訴えたら、夜中にも関わらず
分娩室に食事(入院食の夕食だと思う)を持ってきてくれた。
(出産2時間後、つまり赤子の身長体重計測後)
コットに入れてもらった我が子を眺めつつ、血まみれのベッドの横でもりもりと頂いた。
何が言いたいかというと、出産後にお腹が空いたらご飯がもらえるかも知れないですよ、ということだ。
助産婦さんに聞いてみるといいと思う。
さらに、お見舞いの人へ:
個室ならいいかも知れないし、病院によって違いはあるかもしれないが、
手土産にお花を選ばないほうがいい。病室に花を置かないという決まりがあったので、
行き場を失くした花たちで、ナースステーションが華やかになっていた。花瓶もほぼなかったしね。
産んだ人へは食べ物(甘いもの)の差し入れがいいと思う。ドイツのご飯の量は少なめなので、くれたら嬉しい。
高いものじゃなくていいんだ。ウエハースとかチョコバーとか、気軽に食べられるものがいいんだ。
私だけの好みっぽいが、結構みんなに当てはまるのではないかと思う。
*
番外編として、お世話になったもの

陣痛の時はこの人にもすがらせてもらった。君なしでは乗り越えられなかった。ありがとう。
そして生後4日の息子氏のようす

手につけているのは、産まれた時から生えている、中途半端に長めの爪で赤ちゃんの顔を傷つけないための綿製ミトン。
プライベートがないことと、同室のチェコ人へのひっきりなしのお見舞いとデカイ声での電話には参ったが
なんだかんだと楽しい入院生活だった。
上げ膳据え膳…最高ですね。ふふふ。
長々と読んでいただいてありがとうございました。一緒にぽちっとお願いします!


2.Dezember.2011
出産記2に書き忘れましたが、胎盤も見せてもらいました。
出産後にあんなに大きな内臓が体内から出て行ってしまうのだから、そりゃあ眩暈もしますよね。
1日目
最初は3人部屋を1人で使用できていたが、じきに帝王切開帰りの女性とで使うことに。
日本の病院のように仕切りのカーテンがないので、プライベートなし。
彼女のだんなさんが来ている時に授乳をするのが、何とも気まずかった。
因みにここは母子完全同室システム。シャワーの時以外、基本的に赤子を預けてはいけない。
ベッドから降りてコンタクトレンズを外すも、ものすごい眩暈にやられてベッド脇に倒れる。
看護婦さんに、ベッドから降りるときはナースコールをしなさい、と怒られた。
トイレに行くにも、2人の看護婦さんに両脇を抱えられながら、
更にパット替えも何もかも、全部していただく。
トイレ中に眩暈がした時には、パンツを下ろしたままの格好でベッドまで連れ戻される一幕も。
(しかもその時、隣のベッドの人の旦那さんがいたので、「はいっ目を閉じてちょうだい!!」と看護婦さんが一喝してた。)
トイレもシャワーも病室内にあったので助かった。
体調がよくなった午後、病院受付で、役所への誕生届け手続きを済ませた。
2日目
運よく、またも部屋を独占できることになる。
普通なら3日目に退院らしいが、シングルマザーなんだし、もっとゆっくりしていらっしゃい、
と入院続行を勧められる。内心、ラッキーと思う。
息子氏に吸われる乳首が痛い。
「マゾだ、マゾの心境になるんだ…!」
と自分に言い聞かせながら授乳。マゾの人は乳首を痛めつけられるとしあわせそうなので。
そして分かったのが、自分はマゾにはなれそうもないということだ。痛いものは痛い。
3日目
午後に、今度は陣痛中の妊婦さんと部屋を共有することになる。
(この日の夜、彼女は新しく産まれた娘さんと一緒に病室へ戻ってきた。)
彼女が分娩室に行ったスキに、入院以来初のシャワーを浴びた。
本当は、出産翌日から浴びて良かったのだが、体がだるくてそれどころではなかったのだ。
息子氏が、細い線のような血の混じった母乳を吐く。
乳首表面の傷、もしくは乳内部に入り込んでいた細菌さんのせいらしい。
息子氏に害はないから、授乳は続行してね!とのこと。
吸われ始めは乳首が痛いけれど、その時は深呼吸をして痛みを逃すのよ!と助言をいただく。
ノーブラで歩くとパジャマ表面に乳染みができ、さらに乳首が服にこすれて痛いので
授乳ブラとパット装着。非常に快適なので、非常に幸福になる。
U2がある。
息子氏は医者に、元気におしっこをひっかけていたが
医者も慣れたもので、すばやい反射神経で後ろへ飛びのき、おしっこを避けていた。
めちゃくちゃ健康です、と太鼓判を押される。さすがアプガースコア10/10(`・ω・´)
あなたを誇りに思うよ、息子氏。
4日目
(私の)お通じを強制的に出すために、座薬を処方される。
人生初の座薬は即行効き、イボンヌを悪化させるに至ったので、そこへ更に軟膏ももらう。
痔が酷くなるか便秘になるか究極の選択ではあったが、個人的には便秘を選びたかった。痔、いたい。
今日こそ退院かと思いきや、ええー、明日にしなよ、ねえ? と
医者と看護婦に勧められるがまま、明日まで残ることになる。
(入院費用も何もかも保険会社が全部払ってくれるので、心置きなく。)
ナースステーションで看護婦さんと共に、息子氏にうつぶせをさせていたら
「あら、あごが可愛い…
」
と、通りすがりのお母さんにうっとりされる。
息子氏のチャームポイントは、あごらしいことが判明した。そういわれてみると、かわいい。
それにしても、顔じゃなくて、あごがかわいいんだね!顔じゃないんだね!
5日目
縫合の治り具合を見てもらい、痔は6週間以内には治ると思います、と診断されて退院。
退院は、したい時に勝手に荷物をまとめて、受付で「退院します」と一言告げて
さようなら、でいいらしい。面倒臭くないので、素晴らしいと思った。
*
機材がとても古い病院だったが、看護婦さんのきめ細かい気配りが素晴らしかった。
日本の病院でもまずないんじゃないか、というくらいに色々と気遣ってくれるし、
痛いといえば軟膏をまるごとくれるわ、シングルマザー支援協会の人を派遣してくれるわ(頼んでないのに)、
居心地がよすぎて、もっと滞在したいと思ってしまったくらいだ。
ネット上では評価が悪かったこの病院だったが、最高だった。
第2子を産むとしても、この病院に来たい!
ということで、出産記は終わりです。
ドイツ病院のご飯のようすもそのうちに少し触れたいと思います。
*
生後2週間経った息子氏、早速もう顔つきが変わってきた。やっと私に似てきたので、安心している。
2週間でこれだけ成長されてしまうと、自分が取り残されたような気分になる。
一緒に成長していきたいものだ。
10ヶ月も妊娠していたのが、夢のようです。今や住人不在で寂しいお腹に、ポチをお願いします(´・ω・`)

出産後にあんなに大きな内臓が体内から出て行ってしまうのだから、そりゃあ眩暈もしますよね。
1日目
最初は3人部屋を1人で使用できていたが、じきに帝王切開帰りの女性とで使うことに。
日本の病院のように仕切りのカーテンがないので、プライベートなし。
彼女のだんなさんが来ている時に授乳をするのが、何とも気まずかった。
因みにここは母子完全同室システム。シャワーの時以外、基本的に赤子を預けてはいけない。
ベッドから降りてコンタクトレンズを外すも、ものすごい眩暈にやられてベッド脇に倒れる。
看護婦さんに、ベッドから降りるときはナースコールをしなさい、と怒られた。
トイレに行くにも、2人の看護婦さんに両脇を抱えられながら、
更にパット替えも何もかも、全部していただく。
トイレ中に眩暈がした時には、パンツを下ろしたままの格好でベッドまで連れ戻される一幕も。
(しかもその時、隣のベッドの人の旦那さんがいたので、「はいっ目を閉じてちょうだい!!」と看護婦さんが一喝してた。)
トイレもシャワーも病室内にあったので助かった。
体調がよくなった午後、病院受付で、役所への誕生届け手続きを済ませた。
2日目
運よく、またも部屋を独占できることになる。
普通なら3日目に退院らしいが、シングルマザーなんだし、もっとゆっくりしていらっしゃい、
と入院続行を勧められる。内心、ラッキーと思う。
息子氏に吸われる乳首が痛い。
「マゾだ、マゾの心境になるんだ…!」
と自分に言い聞かせながら授乳。マゾの人は乳首を痛めつけられるとしあわせそうなので。
そして分かったのが、自分はマゾにはなれそうもないということだ。痛いものは痛い。
3日目
午後に、今度は陣痛中の妊婦さんと部屋を共有することになる。
(この日の夜、彼女は新しく産まれた娘さんと一緒に病室へ戻ってきた。)
彼女が分娩室に行ったスキに、入院以来初のシャワーを浴びた。
本当は、出産翌日から浴びて良かったのだが、体がだるくてそれどころではなかったのだ。
息子氏が、細い線のような血の混じった母乳を吐く。
乳首表面の傷、もしくは乳内部に入り込んでいた細菌さんのせいらしい。
息子氏に害はないから、授乳は続行してね!とのこと。
吸われ始めは乳首が痛いけれど、その時は深呼吸をして痛みを逃すのよ!と助言をいただく。
ノーブラで歩くとパジャマ表面に乳染みができ、さらに乳首が服にこすれて痛いので
授乳ブラとパット装着。非常に快適なので、非常に幸福になる。
U2がある。
息子氏は医者に、元気におしっこをひっかけていたが
医者も慣れたもので、すばやい反射神経で後ろへ飛びのき、おしっこを避けていた。
めちゃくちゃ健康です、と太鼓判を押される。さすがアプガースコア10/10(`・ω・´)
あなたを誇りに思うよ、息子氏。
4日目
(私の)お通じを強制的に出すために、座薬を処方される。
人生初の座薬は即行効き、イボンヌを悪化させるに至ったので、そこへ更に軟膏ももらう。
痔が酷くなるか便秘になるか究極の選択ではあったが、個人的には便秘を選びたかった。痔、いたい。
今日こそ退院かと思いきや、ええー、明日にしなよ、ねえ? と
医者と看護婦に勧められるがまま、明日まで残ることになる。
(入院費用も何もかも保険会社が全部払ってくれるので、心置きなく。)
ナースステーションで看護婦さんと共に、息子氏にうつぶせをさせていたら
「あら、あごが可愛い…

と、通りすがりのお母さんにうっとりされる。
息子氏のチャームポイントは、あごらしいことが判明した。そういわれてみると、かわいい。
それにしても、顔じゃなくて、あごがかわいいんだね!顔じゃないんだね!
5日目
縫合の治り具合を見てもらい、痔は6週間以内には治ると思います、と診断されて退院。
退院は、したい時に勝手に荷物をまとめて、受付で「退院します」と一言告げて
さようなら、でいいらしい。面倒臭くないので、素晴らしいと思った。
*
機材がとても古い病院だったが、看護婦さんのきめ細かい気配りが素晴らしかった。
日本の病院でもまずないんじゃないか、というくらいに色々と気遣ってくれるし、
痛いといえば軟膏をまるごとくれるわ、シングルマザー支援協会の人を派遣してくれるわ(頼んでないのに)、
居心地がよすぎて、もっと滞在したいと思ってしまったくらいだ。
ネット上では評価が悪かったこの病院だったが、最高だった。
第2子を産むとしても、この病院に来たい!
ということで、出産記は終わりです。
ドイツ病院のご飯のようすもそのうちに少し触れたいと思います。
*
生後2週間経った息子氏、早速もう顔つきが変わってきた。やっと私に似てきたので、安心している。
2週間でこれだけ成長されてしまうと、自分が取り残されたような気分になる。
一緒に成長していきたいものだ。
10ヶ月も妊娠していたのが、夢のようです。今や住人不在で寂しいお腹に、ポチをお願いします(´・ω・`)


27.November.2011
出産記1の続きです。
23:00
何かが膣から漏れ出したので、履いていたパジャマズボンを脱ぐ。
量とタイミングからから推し量るに これは高位破水で、これから陣痛が酷くなると考える。
助産婦を呼ぼうか呼ぶまいか迷うが、別にいいや、と呼ばないことにする。
23:20
陣痛の痛みが、理性によるコントロールが不能な域へと及び始める。
陣痛がくると同時に、さっき脱いだパジャマズボンを思いっきり両手で絞りあげないと、堪えられない。
目をぎらぎらさせ深呼吸をしつつ、力いっぱいズボンを絞る。
(目を閉じると痛みに集中しちゃうからよくないらしい。)
さすがにこの辺でナースコール。
23:30すぎ
助産婦さん登場。
さっき一人産まれたことやら、これから私が分娩室に運ばれることを一通り聞いてから
「さっきなんか漏れました」「破水したのよ」
「もういきみたいんですけど」「ちょっと待って。今は子宮口が…9cmと少し開いたね」
「え、じゃああと1時間くらいで産まれますか」「今いきめば今日中に産まれるよ。おしっこしたい?」
「したくないですけど一応トイレには行きたいです」「うんこはだめよ、それは子供よ」
見透かされたように言われ、もううんこと子供同時に産んでやる、と腹を決めつつも
未だに現実を把握できず、半ば呆然としたまま、分娩室へ運ばれる。
会話の途中で私の声色がいきんだらしく、いきみたい時は
「ハッハッ」と胸呼吸をしていきみ逃しをするように言われる。
もう、助産婦さんの言うことをそのまま繰り返すしかできない。思考能力停止中。
分娩室
ああ分娩室。
トイレに入って便器を見た途端に全力でおしっこがしたくなるように、
分娩室の「さあ産みたまえ」という万全の設備を見た途端、もう全力で出したくなった。
このあたりではもう産みたい衝動に体を乗っ取られ、自己コントロールが利かない。
痛みは感じない。とにかく出したいのだ。もれるー、という生理的な焦りだ。
なんとかよじ登った分娩台の上で、天井からぶら下がるザイルをつかませてもらい、
「なんで私の手はこんなにがくがく震えてるんですか」
「っていうか風が冷たいから窓閉めてください」
「あと30分で産めるんですか」
と熱に浮かされたようにべらべら喋る私に、いちいちマメに答えてくれる助産婦さん。
そのうち、股間から水分が勢い良く噴出した。助産婦さんが本格的に破水させたらしい。
次陣痛がきたらこういきむのよ、と毎度具体的に言って示してくれる彼女のお陰で、
少し冷静になる。が
途中で「今いきまないで!会陰を伸ばして慣らさないと裂けるよ」と言われるものの、
ええいだまれどうでもいいわ!と思い、いきむ。
すると下半身が急にカーッと熱くなった。きっと今裂けた。
自分がうわあああと叫んでいるのに気付く。
「頭が出てきたから触る?」と聞かれるも、産んだ後にします!と即答。
裂けた所に触ってしまったりしたら、冷静になって怖気づき、産む気をなくしそうだったからだ。
23:45
「産まれたよ、男の子だよ」と声をかけられたので、我に返って自分の股間を覗き込むと、いたのが息子氏。
おお、すげー!お前が赤か!!お前だったのか! というのが最初の感想。
私が誰だかわかるか聞いてみたら、息子氏は少し うあー とか言っていた気がする。
(顔を見、私にも赤父にも似てなくね?あれ、私誰の子産んだんだ?という感想も持った。
なんでだろう(・∀・)顔がむくんでいたからだろうか。
とはいえ、もちろん素敵な人間に変わりはない。)
とにかく、お腹から人が出てくるという現象が不思議に思えてたまらなかった。
感動とかよりも驚きの方が大きく「うわ、目開いた」「動いた」「息してる」だの
助産婦さんが思わず笑うようなことを、思いつくままに言った。
ほらまだ脈打ってるでしょ、とへその緒を握らせてもらう。あったかくて、けっこう分厚い。
胎児が外に出た後も、へその緒は2分ほど脈打ち続けるらしい。
脈打ち終わったそれを、がっつり切らせていただく。ゴムホースを切っているような感触がする。
それから服を脱いで、抱っこ。
息子氏には血がついていたけれども汚い感じがしないし、何だか懐かしいようないい匂いがする。
ふご、ふごっと腹の上を彷徨っていた息子氏だが、助産婦さんが私の乳を搾ると、
ふんふんと鼻息を鳴らしながら吸い始めた。
意外と強い吸引力に、こちらは目を白黒させるばかり。
母乳は羊水と同じ匂いがするので、赤ちゃんはすぐに母乳にとびつくんだそうだ。
そのまま分娩室で、息子と二人きりのプライベートな時間をもらい、その後
抱っこしたまま女医さんに裂傷を縫ってもらう。この麻酔をうたれる時が一番痛かった。
ひいっとわめくと、「ほらー赤ちゃんが今びびったでしょ、あやまんなさい」と助産婦さんに諌められてしまった。
女医さんはとても沈痛な面持で、2件の帝王切開が入ったとはいえ、
私の出産に立ち会わなかったことを心から詫びてくれた。謝るドイツ人なんていたのか。
が、そもそも何が出産スタンダードか知らない私が いやもう全然問題なかったんで…と慰めるも、
いやいや、申し訳ないです…(´・ω・`) とこちらが恐縮したくなる勢いで謝ってくれる。
出産には、そういうわけで助産婦さんのみが立ち会ってくれたということだ。
彼女の言うことだけに集中できたので、彼女一人だけでよかったと思う。
息子の計測の時。
「52cmと3150gだね。長くてスリムねー。いいわね」
「え そんなに長いんですか!?私アジア人なのに?」
「胎盤が大きかったからね。食生活にも関係してると思うよ」
「きっとスニッカーズだ」
「スニッカーズは長いでしょ?ほらね!」
という会話があった。
ちなみに産まれた時の身長が大きいからといって、大きく育つわけではないようだ。
それと、胎盤を持ち帰るかどうかも聞かれた。半分冗談ぽいニュアンスでね。
胎盤を幼い木の下に埋めて、木と共に子が育つよう願うというやり方があるそうなので。
残念ながらうちには庭がないんです、と丁重にお断りした。
*
会陰裂傷にまつわる痛い話。
出産を終えた方、妊婦でない方、あまり気にならない方は反転でどうぞ。
--
会陰というか膣、どうも前後に裂けたらしい。
(何針縫った、とかは聞いていない。相当長い時間縫っていたので怖くて聞けない…)
というのも、息子氏がこぶしを耳の横に当てたまま出てきたらしく、
会陰マッサージをしていたとはいえ、どのみち裂けなければいけなかったようだ。
こういうこともあるようです。
--
一旦この辺で切ります。続きはまた後日に…。
押していただけると励みになります(`・ω・´)

23:00
何かが膣から漏れ出したので、履いていたパジャマズボンを脱ぐ。
量とタイミングからから推し量るに これは高位破水で、これから陣痛が酷くなると考える。
助産婦を呼ぼうか呼ぶまいか迷うが、別にいいや、と呼ばないことにする。
23:20
陣痛の痛みが、理性によるコントロールが不能な域へと及び始める。
陣痛がくると同時に、さっき脱いだパジャマズボンを思いっきり両手で絞りあげないと、堪えられない。
目をぎらぎらさせ深呼吸をしつつ、力いっぱいズボンを絞る。
(目を閉じると痛みに集中しちゃうからよくないらしい。)
さすがにこの辺でナースコール。
23:30すぎ
助産婦さん登場。
さっき一人産まれたことやら、これから私が分娩室に運ばれることを一通り聞いてから
「さっきなんか漏れました」「破水したのよ」
「もういきみたいんですけど」「ちょっと待って。今は子宮口が…9cmと少し開いたね」
「え、じゃああと1時間くらいで産まれますか」「今いきめば今日中に産まれるよ。おしっこしたい?」
「したくないですけど一応トイレには行きたいです」「うんこはだめよ、それは子供よ」
見透かされたように言われ、もううんこと子供同時に産んでやる、と腹を決めつつも
未だに現実を把握できず、半ば呆然としたまま、分娩室へ運ばれる。
会話の途中で私の声色がいきんだらしく、いきみたい時は
「ハッハッ」と胸呼吸をしていきみ逃しをするように言われる。
もう、助産婦さんの言うことをそのまま繰り返すしかできない。思考能力停止中。
分娩室
ああ分娩室。
トイレに入って便器を見た途端に全力でおしっこがしたくなるように、
分娩室の「さあ産みたまえ」という万全の設備を見た途端、もう全力で出したくなった。
このあたりではもう産みたい衝動に体を乗っ取られ、自己コントロールが利かない。
痛みは感じない。とにかく出したいのだ。もれるー、という生理的な焦りだ。
なんとかよじ登った分娩台の上で、天井からぶら下がるザイルをつかませてもらい、
「なんで私の手はこんなにがくがく震えてるんですか」
「っていうか風が冷たいから窓閉めてください」
「あと30分で産めるんですか」
と熱に浮かされたようにべらべら喋る私に、いちいちマメに答えてくれる助産婦さん。
そのうち、股間から水分が勢い良く噴出した。助産婦さんが本格的に破水させたらしい。
次陣痛がきたらこういきむのよ、と毎度具体的に言って示してくれる彼女のお陰で、
少し冷静になる。が
途中で「今いきまないで!会陰を伸ばして慣らさないと裂けるよ」と言われるものの、
ええいだまれどうでもいいわ!と思い、いきむ。
すると下半身が急にカーッと熱くなった。きっと今裂けた。
自分がうわあああと叫んでいるのに気付く。
「頭が出てきたから触る?」と聞かれるも、産んだ後にします!と即答。
裂けた所に触ってしまったりしたら、冷静になって怖気づき、産む気をなくしそうだったからだ。
23:45
「産まれたよ、男の子だよ」と声をかけられたので、我に返って自分の股間を覗き込むと、いたのが息子氏。
おお、すげー!お前が赤か!!お前だったのか! というのが最初の感想。
私が誰だかわかるか聞いてみたら、息子氏は少し うあー とか言っていた気がする。
(顔を見、私にも赤父にも似てなくね?あれ、私誰の子産んだんだ?という感想も持った。
なんでだろう(・∀・)顔がむくんでいたからだろうか。
とはいえ、もちろん素敵な人間に変わりはない。)
とにかく、お腹から人が出てくるという現象が不思議に思えてたまらなかった。
感動とかよりも驚きの方が大きく「うわ、目開いた」「動いた」「息してる」だの
助産婦さんが思わず笑うようなことを、思いつくままに言った。
ほらまだ脈打ってるでしょ、とへその緒を握らせてもらう。あったかくて、けっこう分厚い。
胎児が外に出た後も、へその緒は2分ほど脈打ち続けるらしい。
脈打ち終わったそれを、がっつり切らせていただく。ゴムホースを切っているような感触がする。
それから服を脱いで、抱っこ。
息子氏には血がついていたけれども汚い感じがしないし、何だか懐かしいようないい匂いがする。
ふご、ふごっと腹の上を彷徨っていた息子氏だが、助産婦さんが私の乳を搾ると、
ふんふんと鼻息を鳴らしながら吸い始めた。
意外と強い吸引力に、こちらは目を白黒させるばかり。
母乳は羊水と同じ匂いがするので、赤ちゃんはすぐに母乳にとびつくんだそうだ。
そのまま分娩室で、息子と二人きりのプライベートな時間をもらい、その後
抱っこしたまま女医さんに裂傷を縫ってもらう。この麻酔をうたれる時が一番痛かった。
ひいっとわめくと、「ほらー赤ちゃんが今びびったでしょ、あやまんなさい」と助産婦さんに諌められてしまった。
女医さんはとても沈痛な面持で、2件の帝王切開が入ったとはいえ、
私の出産に立ち会わなかったことを心から詫びてくれた。
が、そもそも何が出産スタンダードか知らない私が いやもう全然問題なかったんで…と慰めるも、
いやいや、申し訳ないです…(´・ω・`) とこちらが恐縮したくなる勢いで謝ってくれる。
出産には、そういうわけで助産婦さんのみが立ち会ってくれたということだ。
彼女の言うことだけに集中できたので、彼女一人だけでよかったと思う。
息子の計測の時。
「52cmと3150gだね。長くてスリムねー。いいわね」
「え そんなに長いんですか!?私アジア人なのに?」
「胎盤が大きかったからね。食生活にも関係してると思うよ」
「きっとスニッカーズだ」
「スニッカーズは長いでしょ?ほらね!」
という会話があった。
ちなみに産まれた時の身長が大きいからといって、大きく育つわけではないようだ。
それと、胎盤を持ち帰るかどうかも聞かれた。半分冗談ぽいニュアンスでね。
胎盤を幼い木の下に埋めて、木と共に子が育つよう願うというやり方があるそうなので。
残念ながらうちには庭がないんです、と丁重にお断りした。
*
会陰裂傷にまつわる痛い話。
出産を終えた方、妊婦でない方、あまり気にならない方は反転でどうぞ。
--
会陰というか膣、どうも前後に裂けたらしい。
(何針縫った、とかは聞いていない。相当長い時間縫っていたので怖くて聞けない…)
というのも、息子氏がこぶしを耳の横に当てたまま出てきたらしく、
会陰マッサージをしていたとはいえ、どのみち裂けなければいけなかったようだ。
こういうこともあるようです。
--
一旦この辺で切ります。続きはまた後日に…。
押していただけると励みになります(`・ω・´)

26.November.2011
前提:出産場所はドイツ、クリニックは年に約1000出産という規模、
Babyfreundliches Krankenhaus 赤ちゃんに優しいクリニック。(ここにはこだわった。)
私の妊娠中は健康そのもの。
そして私はシングルマザー、付き添い人は一切なし。
結果:出産時間7時間ほどの、横になって片足上げての普通分娩
会陰裂傷、推定全治6週間の激しいイボンヌ
陣痛中にアロマバスに入れてもらうことを楽しみにしていたし、そもそも水中出産をしたかったのだが、
それらを実現するには、ありがたいことだが、あまりにも時間が足りなかった。
おしるしやら陣痛やら の投稿が18日の19時過ぎ。
ここから起こったことをまとめてみようと思う。
11/18 19:00頃 自宅
だんだん、局部が重く痺れる感じの鈍痛が4-6分間隔で定期的にくるようになる。
面白いほど時間通りに痛みがくるので、すでに愉快さすら感じている。
「くるぞくるぞくるぞ おお来た!時間通り!素晴らしい!」みたいな。
あまりにも下半身がだるく、座ったまま動けなくなってきたので、そのままネットゲームをして遊ぶ。
出産が近づいてるという実感は全くなかったが、それでも
・5分間隔が2時間続いたら と
・喋れない、本も読めない、いっぱいいっぱい になるほどの痛みになったらタクシーを呼ぼうと考える。
20:00頃
一応聞いてみようかな、と助産婦さんの携帯に電話をしてみたものの繋がらず、
「一体どのくらいの陣痛間隔になったら病院に行けばよいのでしょうか」
とSMSを送る。
20:20
5分間隔が続き、たまに3-4分間隔にすらなるが、痛みがそれほどでもない。
とはいえ不安になってきたので、産む予定のクリニックに電話。
電話を取ってくれたのがなんと、今さっき電話してつながらなかった助産婦さん。
(彼女、当然ながら仕事中は携帯に反応しない。)
彼女はこのクリニック付きの助産婦であり、
私のNachsorgehebamme(産後に自宅訪問してアドバイスをくれる助産婦)でもある。
いつも不定期に勤務している彼女の勤務日にあたったのは、ラッキーすぎる。
「あなた自身はどう感じるの?私は、ぼちぼちこちらへ向かうといいんじゃないかと思うよ」
と言ってもらうも、21時になってもまだ5分間隔になっていたら行こう、とゲーム再開。
21:00
5分間隔が2時間続いた。しかしまだ我慢ができるため、あと30分待とうと決心。
「大体さ、全然はっきりした痛みがないからクリニック行けばいいのか否かよく分からないんだけど」
と中の人に愚痴ったら、次の5分の波でクソ痛い陣痛が来る。
すぐに非礼を詫びたら、次からの陣痛が和らいだ。中の人こわい。
この辺りから、もうクリニックに行かなきゃだめなんだろうな…とだらだら考え始める。
(出産する、ではないところがミソ。)
ちびトランクの中身を最終確認し、足りなかったお菓子を詰め込む。
21:40
行くのやだな…と若干憂鬱になったところで、またも中の人から激しく痛い陣痛を見舞われる。
さらに激しい胎動のおまけもついた。
それに急かされるように勢いでタクシー会社に電話、数分後には車中の人になる。
タクシーのおじさんに、昔は男は分娩室に入ってはいけなかったから、その間に酒場で一杯やったもんだが、
最近は…とかいう今昔話を聞かされた。
自分から「今陣痛中なんです」と言ったためか、おじさんの性格のためか、
乗車を嫌がられることは意外となかったし、出産へ向かう妊婦を乗せるのは慣れっこのようだった。
領収書をきっちりと頂く。(あとで保険会社にタクシー代を出してもらうため)
22:00 クリニック
分娩室受付で助産婦と爽やかにごあいさつ、まず診察室で子宮口を見てもらう。
「6cmだわ、りりさんいいタイミングで来たわねー」
まだまだ開いてないから家に帰れ、と言われると思っていたので、これには一安心。
CTGの部屋が準備されるまで、分娩室から
あああー…ああああううううう…うううああああ…ああああ……
と、低めの苦しむ声が継続的に聞こえてくる。これは怖い。ヒトの本能がびびる感じの深刻な怖さだ。
お化け屋敷のBGMとして分娩室の音声を流したら、トラウマになる人が続出するに違いないと思う。
どうやら今晩は4人の妊婦が押しかけるという大盛況っぷりらしい。
助産婦いわく、だいたい19日周期でこういう盛況日が来るとのこと。
月とはあまり関係がないのだろうか。
22:20
CTG部屋でCTG開始。自分の陣痛の波を眺めながら過ごす。少し目を閉じると眠れそうだ。
陣痛マックスの時はグラフが富士山みたいになるとネットで読んだが、
自分はまだまだだな、明日あたりに出産だなと考える。
分娩室からは叫び声が聞こえていたが、直後に聞こえた赤ちゃんの産声に、こちらまで目が潤んだ。
Youtubeの出産ビデオで何度も見たように、私も出産直後は感涙するんだろうと思うが、
出産するという実感が、未だに全くわかない。
続きます。
ぐずる息子氏になぐさめのポチを…。

Babyfreundliches Krankenhaus 赤ちゃんに優しいクリニック。(ここにはこだわった。)
私の妊娠中は健康そのもの。
そして私はシングルマザー、付き添い人は一切なし。
結果:出産時間7時間ほどの、横になって片足上げての普通分娩
会陰裂傷、推定全治6週間の激しいイボンヌ
陣痛中にアロマバスに入れてもらうことを楽しみにしていたし、そもそも水中出産をしたかったのだが、
それらを実現するには、ありがたいことだが、あまりにも時間が足りなかった。
おしるしやら陣痛やら の投稿が18日の19時過ぎ。
ここから起こったことをまとめてみようと思う。
11/18 19:00頃 自宅
だんだん、局部が重く痺れる感じの鈍痛が4-6分間隔で定期的にくるようになる。
面白いほど時間通りに痛みがくるので、すでに愉快さすら感じている。
「くるぞくるぞくるぞ おお来た!時間通り!素晴らしい!」みたいな。
あまりにも下半身がだるく、座ったまま動けなくなってきたので、そのままネットゲームをして遊ぶ。
出産が近づいてるという実感は全くなかったが、それでも
・5分間隔が2時間続いたら と
・喋れない、本も読めない、いっぱいいっぱい になるほどの痛みになったらタクシーを呼ぼうと考える。
20:00頃
一応聞いてみようかな、と助産婦さんの携帯に電話をしてみたものの繋がらず、
「一体どのくらいの陣痛間隔になったら病院に行けばよいのでしょうか」
とSMSを送る。
20:20
5分間隔が続き、たまに3-4分間隔にすらなるが、痛みがそれほどでもない。
とはいえ不安になってきたので、産む予定のクリニックに電話。
電話を取ってくれたのがなんと、今さっき電話してつながらなかった助産婦さん。
(彼女、当然ながら仕事中は携帯に反応しない。)
彼女はこのクリニック付きの助産婦であり、
私のNachsorgehebamme(産後に自宅訪問してアドバイスをくれる助産婦)でもある。
いつも不定期に勤務している彼女の勤務日にあたったのは、ラッキーすぎる。
「あなた自身はどう感じるの?私は、ぼちぼちこちらへ向かうといいんじゃないかと思うよ」
と言ってもらうも、21時になってもまだ5分間隔になっていたら行こう、とゲーム再開。
21:00
5分間隔が2時間続いた。しかしまだ我慢ができるため、あと30分待とうと決心。
「大体さ、全然はっきりした痛みがないからクリニック行けばいいのか否かよく分からないんだけど」
と中の人に愚痴ったら、次の5分の波でクソ痛い陣痛が来る。
すぐに非礼を詫びたら、次からの陣痛が和らいだ。中の人こわい。
この辺りから、もうクリニックに行かなきゃだめなんだろうな…とだらだら考え始める。
(出産する、ではないところがミソ。)
ちびトランクの中身を最終確認し、足りなかったお菓子を詰め込む。
21:40
行くのやだな…と若干憂鬱になったところで、またも中の人から激しく痛い陣痛を見舞われる。
さらに激しい胎動のおまけもついた。
それに急かされるように勢いでタクシー会社に電話、数分後には車中の人になる。
タクシーのおじさんに、昔は男は分娩室に入ってはいけなかったから、その間に酒場で一杯やったもんだが、
最近は…とかいう今昔話を聞かされた。
自分から「今陣痛中なんです」と言ったためか、おじさんの性格のためか、
乗車を嫌がられることは意外となかったし、出産へ向かう妊婦を乗せるのは慣れっこのようだった。
領収書をきっちりと頂く。(あとで保険会社にタクシー代を出してもらうため)
22:00 クリニック
分娩室受付で助産婦と爽やかにごあいさつ、まず診察室で子宮口を見てもらう。
「6cmだわ、りりさんいいタイミングで来たわねー」
まだまだ開いてないから家に帰れ、と言われると思っていたので、これには一安心。
CTGの部屋が準備されるまで、分娩室から
あああー…ああああううううう…うううああああ…ああああ……
と、低めの苦しむ声が継続的に聞こえてくる。これは怖い。ヒトの本能がびびる感じの深刻な怖さだ。
お化け屋敷のBGMとして分娩室の音声を流したら、トラウマになる人が続出するに違いないと思う。
どうやら今晩は4人の妊婦が押しかけるという大盛況っぷりらしい。
助産婦いわく、だいたい19日周期でこういう盛況日が来るとのこと。
月とはあまり関係がないのだろうか。
22:20
CTG部屋でCTG開始。自分の陣痛の波を眺めながら過ごす。少し目を閉じると眠れそうだ。
陣痛マックスの時はグラフが富士山みたいになるとネットで読んだが、
自分はまだまだだな、明日あたりに出産だなと考える。
分娩室からは叫び声が聞こえていたが、直後に聞こえた赤ちゃんの産声に、こちらまで目が潤んだ。
Youtubeの出産ビデオで何度も見たように、私も出産直後は感涙するんだろうと思うが、
出産するという実感が、未だに全くわかない。
続きます。
ぐずる息子氏になぐさめのポチを…。


23.November.2011
前回の投稿から5時間後、母になっていました。
52cmと3150gの息子ができました。奴はなんだか長くて赤いです。
出産はとても興味深いものでした。
見えざるものに体と痛みをコントロールされながら出産に至った、至らされた?ような、
どうにも不思議な感覚です。
今は元・中の人と知り合ってまだ数日なので、もう少ししたらふと更新します。
とかいって明日するかも知れないですが(・∀・)
気にかけてくださったかた、本当にありがとうございます。(コメントは後日返信させてください)
助産師もびっくりの安産菌を撒き散らしつつ、退院したての今日は、ぐったりいたします。
(`・ω・´)つ≡ ● ● ● ●
皆さんも、よい出産を。
ちなみに、
子宮口は本気を出すと1時間半で3-4cm開くので、お気をつけて…。
52cmと3150gの息子ができました。奴はなんだか長くて赤いです。
出産はとても興味深いものでした。
見えざるものに体と痛みをコントロールされながら出産に至った、至らされた?ような、
どうにも不思議な感覚です。
今は元・中の人と知り合ってまだ数日なので、もう少ししたらふと更新します。
とかいって明日するかも知れないですが(・∀・)
気にかけてくださったかた、本当にありがとうございます。(コメントは後日返信させてください)
助産師もびっくりの安産菌を撒き散らしつつ、退院したての今日は、ぐったりいたします。
(`・ω・´)つ≡ ● ● ● ●
皆さんも、よい出産を。
ちなみに、
子宮口は本気を出すと1時間半で3-4cm開くので、お気をつけて…。
19.November.2011
意外と、事が早く進みすぎて現実を把握できておりませんが。
40W0T 22:00
横になってしばらくしたら生理痛に近い痛みがある。鈍痛、そして刺激痛、ついでに胃痛。
数日前はすぐに治まったが、今回はなかなか引かず。
びびりながらも寝入ろうと努力、成功。
時間(予定日)に正確なのはいいが、お前のベッドマットと、掃除機がまだ届いてないんだが…
とがっかりする余裕がある。
40W1T 5:45
お腹が相変わらず痛くて目が覚める。
何か漏らした感じがしてトイレに行き、生理最終日のような茶褐色の血を確認。
うわ、来たよ!ちょっと早いんでないの、と中の人にツッコむ。
軽く興奮して寝られず起きるも、股間に差込み痛。
リアルに、いまこの瞬間に子宮口が開いてるのではないかと思える場所と痛み。
穴から上に向かって、細長い痛みが つーん と下半身を突き刺す感じだ。
不快な痛みとはいえ、我慢はできる。
7-15分間隔の痛みが続くも、2時間ほどで治まる。
(その合間に、いそいそとマニキュアを塗り直す私。部屋がくさい。何をやってるんだ一体。)
胎動は、いつもの右肋骨下ではなく、胃とへその間で感じるようになる。
骨盤外側あたりに、筋肉痛のようにどんよりとした、だるい違和感がある。
穴が痛くて、まっすぐ椅子に座れない。痔の膣バージョンみたいな感じだ。
片道10分の銀行へ出かけるも、歩くと骨盤が痛い。大股ではもう歩けない。
午後にも、10分間隔の痛みが1時間ほどあるが、すぐ不規則になる。
ゼリー状の血がにょろりと数度出てきたりする。
痛みの程度は、注意を他に向けていれば気にならないものから、息が詰まるものまでまちまち。
身体はだるいのに、じわじわと襲ってくる生殺しのような痛みにうんざりして寝られない。
痛みがだんだん強めになっている気はするが、なるべく気にしないようにしている。←今ここ
5分間隔が2時間くらい続いたら病院に行こうとは思う。
どのみち明日の早朝に健診なんだがね…。
そんな母体とは対照的に、なにやら明るく楽しく溌剌と動いている中の人。
今日は特に元気だね。その調子でのびのびと育っておくれ。
*
ちなみに赤用ベッドマットは予定日の翌日に到着した。セーフ。待ってくれてありがとう赤。
ありがとうついでに、明日掃除機が着くから、明日まで待ってほしい。頼むよー。
さて、いつ出てくるのかな。
予定日が近い方、お互いに出産を満喫できたらいいですね。

40W0T 22:00
横になってしばらくしたら生理痛に近い痛みがある。鈍痛、そして刺激痛、ついでに胃痛。
数日前はすぐに治まったが、今回はなかなか引かず。
びびりながらも寝入ろうと努力、成功。
時間(予定日)に正確なのはいいが、お前のベッドマットと、掃除機がまだ届いてないんだが…
とがっかりする余裕がある。
40W1T 5:45
お腹が相変わらず痛くて目が覚める。
何か漏らした感じがしてトイレに行き、生理最終日のような茶褐色の血を確認。
うわ、来たよ!ちょっと早いんでないの、と中の人にツッコむ。
軽く興奮して寝られず起きるも、股間に差込み痛。
リアルに、いまこの瞬間に子宮口が開いてるのではないかと思える場所と痛み。
穴から上に向かって、細長い痛みが つーん と下半身を突き刺す感じだ。
不快な痛みとはいえ、我慢はできる。
7-15分間隔の痛みが続くも、2時間ほどで治まる。
(その合間に、いそいそとマニキュアを塗り直す私。部屋がくさい。何をやってるんだ一体。)
胎動は、いつもの右肋骨下ではなく、胃とへその間で感じるようになる。
骨盤外側あたりに、筋肉痛のようにどんよりとした、だるい違和感がある。
穴が痛くて、まっすぐ椅子に座れない。痔の膣バージョンみたいな感じだ。
片道10分の銀行へ出かけるも、歩くと骨盤が痛い。大股ではもう歩けない。
午後にも、10分間隔の痛みが1時間ほどあるが、すぐ不規則になる。
ゼリー状の血がにょろりと数度出てきたりする。
痛みの程度は、注意を他に向けていれば気にならないものから、息が詰まるものまでまちまち。
身体はだるいのに、じわじわと襲ってくる生殺しのような痛みにうんざりして寝られない。
痛みがだんだん強めになっている気はするが、なるべく気にしないようにしている。←今ここ
5分間隔が2時間くらい続いたら病院に行こうとは思う。
どのみち明日の早朝に健診なんだがね…。
そんな母体とは対照的に、なにやら明るく楽しく溌剌と動いている中の人。
今日は特に元気だね。その調子でのびのびと育っておくれ。
*
ちなみに赤用ベッドマットは予定日の翌日に到着した。セーフ。待ってくれてありがとう赤。
ありがとうついでに、明日掃除機が着くから、明日まで待ってほしい。頼むよー。
さて、いつ出てくるのかな。
予定日が近い方、お互いに出産を満喫できたらいいですね。
